幻想-セレナーデ-


-序章-

「っ…サフィ…サフィアーーー!!」

「…ここを出るぞ!」
「っやだ!!サフィアが…サフィアがまだ…」
「あいつが最後に何を言ったか忘れたか!?」
「っ…サフィア…」

「…お前はこのままでいいのか?」
「…あいつの記憶は戻らない。それは…俺が望んだ結果だ」

「私、サフィアを捜す」
「…それがお前の望みなら…」

「教えてくれ!セレナは…ラピスは…」

「大好きだよ」
「俺も…お前が好きだよ」

「セレナ…俺は…」

「セレーネ…?」

「忘れるって…どういうことかな…」
「それは…」

「お兄様は全てを知っているの?」
「そうかもしれないな…」
「そっか…」

「ねえ、シファって…」

「フェルサイト様、私は何を信じればいいのでしょうか…」
「そうだな…お前の望むものは何だ?」

「これで全てが終わる」
「終わらせはしない!決して…!!」

「なら見せてみろ。お前たちの真実を…強さを…心の在り方を…!!」