白い翼は無いけれど 宇宙の全てを抱きしめる彼女のようにはなれないけれど 貴方を想う気持ちが私を支えてくれるから、彼女と共に宇宙を抱きしめることが出来る 私が貴方の隣で一番『私らしく』居られる 彼女のような翼はないけれど… 「…リア?ロザリア?」 ふと気が付くと目の前に貴方の不思議そうな顔 どうやら私は貴方と一緒に居るのに物思いに耽っていたようで持っていたティーカップからは湯気がすっかり消えていた 「どうしたんだい?久しぶりの私とのティータイムに考え事なんて」 少し拗ねたような貴方の言葉に微笑が溢れる 「ごめんなさい、オリヴィエ。何でもありませんわ」 「何でもないなら良いけどね。」 『悩み事は美容の大敵だよ』 とウィンクする貴方を見ていると胸に幸せが溢れてくるようだ 私がもし女王補佐官ではなく彼女の代わりに女王になっていたらこの幸せな時間は変わっていたのだろうか? こんな風に他愛もないことで笑い合えていたのだろうか? 「ねぇ、オリヴィエ」 「ん?」 執務中より少しラフな私の前でしかしない姿の貴方が微笑みかける 「私がもし女王になっていたら今のように笑い合えていたのかしら…」 そう言うなり俯いた私の頭を貴方の大きな手のひらが優しく撫でる その温かな感触に涙が零れそうになる 「何言ってんの?ロザリアがロザリアだったら女王だろうが補佐官だろうが私には関係ないよ」 瞳からせきを切ったように流れる涙は喜びに溢れていて 苦笑しながら涙を拭う貴方の優しさに胸が熱くなる 「私が好きになったのがオリヴィエで本当に良かった…」 「私もロザリアを宇宙で一番愛しているよ」 私には白い翼は無いけれど 貴方を想うこの気持ちが私の翼だから 一番近くで微笑んでいて欲しい ずっと、永久に END