Star Rush

「すっかり真っ暗ねぇ〜!」
「そうですね。」
此処はとある星。
エルンストとレイチェルは休暇を貰い、天体観測に来ていた。
「寒くないですか?」
「ん、大丈夫。」
「コーヒーが入りましたよ。」
熱いから気を付けてとマグカップを渡すと、嬉しそうに微笑むレイチェル。
「どうかしましたか?」
「ううん、ひさしぶりだなぁって思ってね。」
ここ最近色々と二人は忙しく、
こうして向き合ってお茶を飲む時間など無かった。
「そうですね…。でもこうして今二人で向かい合ってられるのですから。」
「ホント、アンジェとみんなには感謝しないとね〜。」
二人が忙しくてゆっくり会う暇がないことを心配したアンジェが、
「アリオスにも休みをくれたから」と二人に休暇を取らせたのだ。
他の守護聖達もエルンストの仕事を手分けして片付けてくれている。
焚き火の薪がパチパチとはぜる。
「何だか悪い気がしますが。」
少し申し訳なさそうに眉間に皺を寄せるエルンストに、
「まぁやってくれるって言うんだから甘えちゃいましょ!」
レイチェルはそう言うと近くにセッティングしていた望遠鏡を覗いた。
丸くトリミングされた夜空に何光年も離れた小さな光達が何かを告げている。
その中の一つが軌跡を描いた。
「あっ!流れ星!」
彼女が嬉しそうに声をあげた。
エルンストが上空を見上げると次々と星が流れていた。
「すっごーい!」
「……」
エルンストは少し考え込み、思い出しように呟いた。
「…今日はこの宇宙に流星群がちょうどぶつかる日ですよ。
すっかり忘れてました…。」
「そうだったんだ〜!凄くキレイ!」
来て良かったと笑うレイチェル。
その笑顔が淡い炎に揺れる。
とても刹那的で美しい流星のようだった…。
気が付くとレイチェルの肩を引き、強く抱き締めていた。
「エルン、ス…ト?」
「…好きです。」
消え入りそうなほど小さな声で囁く。
想いがセキを切ったように溢れ出す。
レイチェルも少し戸惑いながら囁いた。
「…―。」
その言葉にエルンスト柔らかな微笑みを見せる。
そのまま二人は星の雨に見とれていた‥‥


おまけ
「陛下?どうかしましたか?」
たまたまアンジェの所に遊びに来ていたエンジュが問掛けた。
「今頃レイチェルとエルンストは何してるかしら?」
嬉しそうに言うアンジェ。
「チッ…そんなことどうでもいいだろ。」
何故か悔しそうなアリオス。
「アリオス〜…」
少しつまらなそうな顔をしてアリオスを見つめる。
「なんて顔してんだ…」
何だかバカップルに当てられてる気がしてエンジュは部屋を出た。
そのあとも暫くは二人のイチャこきは続いていたそうな…


END

あとがき
新木です!
如何でしたでしょうか?エルンスト×レイチェルの新作でございます!
自分的に何となく尻切れトンボな終り方の気がしてます…
しかもおまけのコレットもアリオスも違う!
全然二人じゃない!やはりコレットのゲーム未プレイだから…。
是非とも天レクかトロワをやりたいものです〜。
さて次はまた遥かに戻る予定です。
リクエストなんぞありましたら聞かせてください。
出来る範囲で答えさせて頂きます。
新木でした!